ギュギュンといきなり竿を絞り込んだりフワッと食い上げたりとド派手なアタリと、大きなヒレを張って抵抗する強い引きが魅力のキントキ五目が南房エリアで盛り上がりを見せている。
乙浜港のしまや丸での取材日は千倉~布良沖の水深50~90mを狙い、33~41cmのキントキをトップ25尾。
マハタやウッカリカサゴ、アヤメカサゴ、アカイサキなども交じった。
仕掛けは胴つき3本バリ、オモリ120号。
エサは冷凍イワシの1匹掛けもしくはサバの切り身。
当日も朝イチからいきなり入れ食いとなり、3本バリにパーフェクトで上がってくることもしばしばあった。
タナは底から5~10mの範囲で指示されることが多く、釣り方はエサを時折動かす程度のアクションを加えながら、指示ダナの範囲を探るだけ。
比較的簡単なのでビギナーにもおすすめだ。
キントキ五目のハリ選び
船宿仕掛けのハリは丸セイゴ17号だが、私は角セイゴ18号とチヌ8号を使用している。
角セイゴは丸セイゴと比べてハリ掛かりに大差は感じられないが、ヒネリがないのでイワシエサが刺しやすい。
ヒネリがあると下アゴから上アゴに抜いたときにハリ先が中心からずれてイワシの上アゴを壊してしまうことが多い。
チヌバリはフトコロが広いので口中に掛かることが多いが、逆にそれが狙いでもある。
口中に掛かるとハリ外れによるバラシがほとんどないからだ。
ただし、チモトが傷みやすいので、交換用の枝スを多めに用意しておく。
![ハリの写真]()
左から角セイゴ18号、丸セイゴ17号、チヌ8号
出典:
キントキの上品な白身はほどよく脂が乗り、刺身はもちろん、煮物、焼き物、揚げ物、どう料理しても抜群の食味。
浜値も大判サイズであれば1kg当たり2000円以上とマダイやヒラメ以上の高級魚扱い。
もっと人気が高くてもよさそうなものだが……。
地味めの理由は神出鬼没性にあるのでは?というのが筆者の考え。
今日釣れたかと思えば、翌日には影も形もない。
大物釣りでない限り確実に釣れる見込みがなければ看板として成り立たない。
そのためあくまでゲスト、五目釣りの一魚種となってしまうのだ。
しかしメインとしてまったく狙えないこともない。
地味ながらも外房、南房エリアでは古くからキントキ五目と銘打った看板を掲げる船宿が存在する。
その中の1軒が南房乙浜港のしまや丸。
今シーズンはスルメイカが好調とあってキントキ五目での出船は月に数日程度と少ないようだが、船宿ホームページの釣果欄を見ると数はさることながらサイズのよさに引きつけられる。
![釣行の写真]()
南房のキントキ五目は例年12月ごろまで楽しめる
出典:
船宿仕掛けを使って投入時のトラブル軽減
カメラを抱えて乙浜港を訪れたのは8月中旬。
地味といっても人気は高い。
当日もキントキ五目出船との情報を聞きつけた12名のファンを乗せ、5時に岸払いとなった。
しまや丸がキントキを狙う釣り場は千倉~布良沖にかけて。
航程10~40分ほどで水深50~90mに点在する。
この釣りで使用するタックルについて説明すると、アタリは明確で口切れするような魚ではないので、竿は120号のオモリが背負えればなんでもOK。
だが、強いて言えばイカ竿のような先調子竿よりも7:3~6:4調子の軟らかめの竿のほうがおすすめ。
オモリ負荷表示80号前後、
全長2m前後のゲームロッドやワラサにも対応するグラスワンピースロッドなどのほか、硬めのヒラメ竿を使う人もいる。
大きくド派手なアタリとギュンギュンと力強く抵抗するキントキの魅力を手応え、見応えで感じ楽しむことができる。
道糸はPE3~4号。
水深を考慮すると200mでいいが、オマツリや高切れなどのトラブルに備えるのであれば300m巻いてあれば安心だ。
リールはシマノなら1000~3000番、ダイワなら300~500番クラスの電動リールがベストバランス。
仕掛けは胴つき3本バリが標準。
船宿仕掛けは枝スの接続が一番上がクレン親子サルカン、2番目、3番目は回転ビーズが介されており、一番上の幹糸がなく道糸と親子サルカンをスナップ付きサルカンで接続するのが特徴。
一番上の幹糸をなくすことで仕掛けの全長が約2.6mになり、長さ2mくらいの竿であれば投入は仕掛けを吹き流し状態にしてオモリを投下するだけでいい。
ビギナーでも、もたつくことなくクリアできる。
エサは船宿から冷凍イワシかサバの切り身が支給されるが、入手の関係で現在は冷凍イワシが主体とのこと。
冷凍イワシは食いがいい反面エサ持ちが悪いのが難点。
上手に付けないと投入時の衝撃で外れてしまうことも。
エサの付けやすさ、持ち、食いのよさ、食ったときのハリ掛かりのよさなどのトータル評価で見るとサバの切り身のほうが上。
釣行の際はなるべくサバの切り身を持参することをおすすめする。
幅1cm、長さ7~10cm程度にカットして使う。
そのほか、イカの切り身もOK。
食いが渋いときにホタルイカを使った人が一人勝ちしたという話も聞く。
色いろ試してみるのも楽しみの一つだ。
接続具によって枝スの長さを変える
仕掛けを自作する場合、幹糸と枝スの接続パーツとして親子サルカンと回転ビーズが使われるが、どちらがいいのか。
親子サルカンはオマツリで仕掛けを切る場合、サルカンの結び目から切れば、結び直しての修復がしやすいことがメリット。
気を付けたいのはサルカンのサイズと枝スの長さ。
魚は金属を嫌う傾向があるので親子サルカンはなるべく小さいサイズ(4×5号推奨)を選択する。
枝スの長さが短いとサルカンとの距離が近くなり魚が警戒するので、枝スの長さをやや長め(40cm前後)にするとよい。
回転ビーズはオマツリの際、幹糸を切ってしまうと修復が不可能になってしまうことがデメリット。
しかし回転ビーズは魚が警戒することがないのか、枝スが短くても食いに大きな影響は見られない。
枝スが短い分、仕掛けも扱いやすくなる。
どちらも一長一短あるが、どちらを使うかはあなた次第だ。
誘い上げと誘い下げで底から10mを探る
釣り方はまずは投入。
潮が速いことが多い海域ゆえ、オマツリ軽減策として合図と同時に一斉投入が鉄則。
潮が速いときは1流し1投となることも多く、投入に乗り遅れた場合はその流しはお休みを指示されることもある。
ここで船宿仕掛けの利点が生きてくる。
前述のとおり仕掛けを吹き流した状態からオモリを落とし込むだけでいい。
確実な投入をこなすためにもビギナーならハリ数を増やすことよりも、まずは船宿仕掛けを使って確実な投入をこなすことを心がけたい。
タナは底から10mの範囲でアナウンスされることが多い。
着底したら底を1m切り、10~15秒ごとに1~2mずつ誘い上げていき、タナの上限まで達したら今度は逆に底に向かってゆっくりとサミングしながら誘い下げていく。
キントキは上から落ちてくるエサによく反応するので、着底したら一気にタナの上限まで巻き上げて、誘い下げで主に狙っていくのも一手だ。
キントキは水深の半分ほどの中層にまで浮いてくることも珍しくない。
そのような場合は海面からのタナがアナウンスされるので、道糸のマーカーで正確に合わせることが大事。
タナの上限まで仕掛けを下ろしたらサミングしながらタナの下限まで誘い下げていく。
アタリは始めにコツコツと小さく出ることが多いが、キントキはエサの端をくわえてから飲み込んでいくといわれており、この時点での合わせを入れるとスッポ抜けてしまう確率が高い。
焦ることなくそのまま待っているとギュギュンッと竿が大きく絞り込まれるので、このときに乗りを確かめる程度に竿を起こせばいい。
キントキは群れている魚なので、1尾目が掛かったら追い食いを狙って最初の5~10mはリールのハンドルをひと巻きしては止めるを繰り返しながらゆっくりと巻き上げていくと2尾目、3尾目とヒットしてくる。
ただし、潮が速いときはヒットしたらすぐに巻き上げるよう指示が出ることもあるので注意したい。
ダブル、トリプルヒットで良型キントキが入れ食い!
「まずはすぐ前の場所からやってみます。10分くらいで着きますから準備してくださいね」と、港を出たところで船長からのアナウンス。
「それでは始めますよ。どうぞ!」
「底から5mです。根がキツイですから気を付けてくださいね」
しばらくするとトモ側からリールの巻き上げ音が響いてきた。
音の主は右舷大ドモの中村さん。
海中に赤い魚影が見えてきたが、取り込まれたのは0.5kgのマダイ。
続いてアタリをキャッチしたのは右舷トモ2番の片根さん。
ギュンギュン抵抗しながら時折食い上げるこの独特の引きは30cm超のキントキ。
大きなヒレをパンッと張った赤い魚体が朝日に映える。
ほぼ同時に胴の間の細川さんも同サイズのキントキをキャッチ。
しかしバタバタとアタリが出るほどでもないとあって白浜沖へ向かって30分ほどの移動となる。
「投入は一斉にお願いいたします。遅れての投入はオマツリしますからね。水深80m。70mまで反応がありますよ。どうぞ!」
1流し目はアタリはなかったが、反応に乗せ直すとマダイを釣り上げた中村さんの竿にアタリ。
大型のキントキが取り込まれた。
「いい型だ!37~38cmはあるぞ」と船長からも祝福コールがかかる。
何やら左舷が騒がしく、胴の間の藤村さんの横で仲乗りさんがタモを構えている。
海面下に連なる赤い魚影。
40cm近い大型を交えて3本バリにパーフェクトでキャッチ成功。
ここからスイッチが入ったような怒涛の入れ食いモードに突入。
魚探には底から20mまで立ち上がった反応が映し出され、あちこちでダブル、トリプルでキントキが乱舞。
こうなったら仕掛けを底まで落とさず上ダナから誘い下げていくほうが効率はいい。
「反応すごいよ!手返し、手返し!タモなんかいいからどんどんやって!」と船長も激熱モードだ。
五目と銘打っているとおりこの釣りの魅力はゲストの多さにもある。
右舷ミヨシ2番の北村さんは1kgサイズのマハタ。
右舷胴の間の細川さん親子は2人仲よくアヤメカサゴをキャッチ。
左舷大ドモの小谷さんは鮮やかなアカイサキに苦笑い。
左舷ミヨシの一野さんにはトゴットメバルも上がった。
先にマハタを釣り上げた北村さん。
今度は1.5kg超のカンコ(ウッカリカサゴ)を浮上させた。
入れ食いモードも1時間ほどで落ち着いたが、右舷ミヨシの濱脇さんは継続してアタリをキャッチ。
釣れたサバをカットしてエサに使ったのが功を奏したようだ。
皆さんクーラーはほぼ満杯。
中には入り切らない人も。
後半はアタリが遠のいたが、皆さん釣った魚をしまったり、弁当を頬張ったりとまったり。
釣果は40cm、1kg超サイズ交じりで7〜25尾。
皆さん大満足で10時半に帰港した。
南房沖のキントキ五目は例年12月いっぱいまで楽しめる。
釣って楽しく、食味も抜群のキントキ。
ビギナーにもぜひチャレンジしていただきたい。
![釣行の写真]()
当日は平均20尾前後と数がまとまった
出典:
![釣行の写真]()
活性が上がると3本バリにパーフェクト
出典:
![釣行の写真]()
定番ゲストのウッカリカサゴ
出典:
INFORMATION
南房・乙浜港 しまや丸
0470・38・2567
▼備考=予約乗合、4時半集合、5時出船。スルメイカへも出船
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隔週刊つり情報(2025年9月15号)※無断複製・転載禁止