厳しい残暑は続くが、夜の海上は心地よい涼しい風が船上を包み込む。
そんな中で熱くなれるのが、駿河湾沼津出船の夜タチウオ釣りだ。
「今年はちょっと遅いですが8月に入ってようやく群れが入ってきました」と沼津静浦港・真成丸の高橋判船長。
当エリアの釣り場は港を出てすぐから千本浜沖と近場で、思いのほか陸地から近いことから驚く人も多いだろう。
船上にライトが灯るころから食いが活発になり、テンビン、テンヤ、ルアーのいずれの釣り方でも楽しめる。
取材日は近場に反応が少なく富士川河口を狙ったが、指幅3本前後主体にトップ20本程度とまずまずのスタートを切った。
これから近場で食い出せば釣り時間も長く数ものびるようになる。
好きな釣り方で楽しもう!
![釣行の写真]()
ラスト近くは好タイムのことが多いそう
出典:
アクセサリーは必要か?
かつては水中ライト、タコベイトを付けた2本バリで狙うことが多かったが、最近では1本バリでそれらを付けずシンプルな仕掛けで狙う人が増えた。
とはいっても、タコベイトが威力を発揮することも多いそうだから、アレコレ試してみたい。
![アクセサリーの写真]()
タコベイト装着仕掛けにもよく食っていた
出典:
駿河湾沼津では他エリアでは味わうことできない夜釣りが楽しめるのが大き魅力だ。
群れが集まれば短時間での数釣りも可能だし、釣り方もテンビンをメインにテンヤ、ルアーとどんな釣り方でもOK。
そしてもう一つの魅力が釣り場まで近いことだ。
今回取材した真成丸がある沼津静浦港からは、航程5~20分程度の淡島〜千本浜沖の水深50m前後をメインに狙っている。
急深の地形から岸からも思いのほか近くで釣れるのが特徴だ。
駿河湾内には至る所にタチウオはいるようだが、狩野川が流入してエサが豊富で急深な当地には群れが長期間留まりやすいのだという。
釣期は例年7月ごろから釣れ始め、翌2月ごろまで釣れ続く。
「今年はちょっと釣れ出すのが遅いですね。8月に入ってようやく出てきました」とは真成丸の高橋判さだむ船長。
8月中旬は近場を狙っていたが釣果がのびず、取材日は航程50分ほどの富士川河口沖まで足を延ばしたが、万一近場がダメでもこのポイントに行けるのも強みだ。
今シーズンの8月はまだ走りの状態でサイズは指幅3本クラスがメインだったが、例年9月以降はサイズアップしドラゴンサイズも出てくるというから、まさに今からが本格シーズンと言えるだろう。
集合時間は16時で、準備ができ次第出船となる。
釣れ始めるのは暗くなってからのことが多いがアンカーを入れたカカリ釣りとなるため、いい場所をキープするためにも早めの出船となるのだ。
明るいうちから投入すれば良型のアジに期待できる。
暗くなるとタチウオの食いが活発化し、22時に沖揚がりとなり、食いがよければ短時間で50~70本以上の釣果のこともある。
どの釣り方でも楽しめるが基本はテンビン釣り
夜釣りでメインとなるのはテンビン釣り。
竿はオモリ80号を背負える全長1.8m前後のテンビンタチウオ用、7:3~8:2調子のライトゲームロッドなど。
リールは小型~超小型電動または小型両軸。
深い場所では50m前後を狙うこともあり、電動タダ巻きが効くこともあるので、電動の使用がおすすめ。
ただし、食いが上向くと海面から20m以上で食うことも多く手巻きの軽量タックルで楽しむのもいいだろう。
道糸はPE1.5~2号。
仕掛けは片テン1本バリ仕掛けが基本。
とくにアグレッシブに誘って食わせていく場合は1本バリがおすすめ。
かつてはフロートパイプやタコベイトを付けた2本バリ仕掛けが主流だったが、最近は東京湾に近い何も付けないシンプルな仕掛けで楽しむ人が増えている。
ただし、この日はタコベイトを装着した常連さんがトップ釣果だったので効果はあるようだ。
付ける付けないかは好みでいいだろう。
ガツガツとやらなくいてもいい、のんびり置き竿にして狙いたいという人は2本バリの選択もありだろう。
水中ライトもかつては必需品と言われたが、高橋船長によれば「付けても付けなくてもいい」そうで、それはなくても全然問題ないということだ。
ハリはタチウオバリの1/0を基準に、サイズアップするようなら2/0も用意しておく。
テンヤの場合はオモリ40~50号、ジギングの場合はメタルジグ80~120gを使用する。
このほか、ヘッドライトがあると便利。
暗い場所で手元が見えにくい人は用意しておくといいだろう。
また、9月といえど日中はかなりの暑さだが、夜は風もあり一気に冷えることがあるので、必ず上着も用意しておこう。
また夜釣りは日中の釣りで平気な人でも船酔いすることがある。
少しでも心配な人は酔い止め薬を服用しておくのをすすめる。
刻一刻と変化する食いダナを見付ける
当地の夜タチウオ釣りはアンカーを入れたカカリ釣りとなる。
明るいうちから食うこともあるが、多くは19時ころから一気に活性が上がる。
早い時間はのんびりアタリを探してもいいし、アジが釣れることも多いので、タチウオ仕掛けでアジ狙いも面白い。
エサはサンマの切り身が配られる。
そのまま縫い刺しにしてもいいし、形を整えてから付けてもいい。
千本浜沖は水深45m前後、淡島沖は50~60m前後。
船長からは「40mより上」、「50mより上」などとざっくりとした指示が出ることが多い。
この場合はまずは指示のあったタナまで仕掛けを落としてからアタリが出るタナを探っていく。
まずはワンピッチジャークで広く誘いながら、アタリやモタレ、触りなどがあったらその場所を覚えておく。
明るい時間帯や開始直後は深めのタナでアタることが多いが、活性が上がると一気に15m前後で食うこともある。
1本釣れたら次はその周辺のタナからスタートしてみる。
上でも下でも釣れるならできるだけ上で食わせれば手返しもよくなり一気に数をのばすことができる。
一度アタリがあってもハリ掛かりしない場合、少し待ってアタリがなければ回収してエサのチェックを。
サンマエサは東京湾で使用するコノシロやサバに比べて集魚効果には勝るが身が柔らかくエサ持ちが悪い。
アタリがない場合はエサがなくなっている可能性が高いので迷わず回収しよう。
時間がたつにつれてタナが上ずることは多いが、1時間くらいすると急にタナが下がるということもある。
今まで釣れていたタナであまり食わないようなら、もう一度深めのタナから探っていく。
「魚探には広く反応が出ていても、その時どきで食うタナが変わります。周りの人たちで食ったタナを教え合って狙うといいですよ」と船長。
基本の誘いは竿先を海面に下げた状態からシュッとシャクリ上げ、リールを2分の1から3分の1回ずつ巻いて、再び竿先を下げてシュッ。
シャクったあとには食わせの間を入れる。
高活性時はほぼノンストップで食うこともるし、食いが渋いときは10秒近く待ったほうがいいこともある。
食いダナと食うパターンを見つけることが攻略のカギとなる。
取材日は置き竿でごくゆっくりの電動タダ巻きでアタリがあったら合わせて釣っていくビギナーの人もいたが、船長によれば「アタリをほとんど見逃しちゃってる」
そう。
電動タダ巻きでも手持ちでしっかりアタリを見て合わせて掛けるようにしたい。
この日、乗り合わせた常連さんは実釣時間はほかの人の半分に満たないながらも20本釣ってトップだった。
「東京湾みたいにシャクって食わせるほうがいいこともあるけど、それだとダメな日もある。今日はタナを決め打ちしてそこで竿を上下に揺らしているのが効いてます」と、実際に何度も釣って見せてくれた。
25mのタナで食っているならそこでストップし、竿先を少し下げた状態で上下に細かくシェイク。
これをずっと続けていると、竿先が押さえ込まれそのままギューンと入り込んだ。
このタイミングで合わせればほぼハリ掛かり。
短時間でも圧倒的に食わせていたので、効果は間違いないだろう。
まだ始まったばかり 今後に期待
沼津静浦港の真成丸に訪れたのは8月16日。
前週に行く予定だったが南西強風が続きコンディションがすぐれないとのことだった。
この日は午前中は平塚港からイナダ取材を終えて箱根越えして沼津入り。
土曜日だったが15時前には港に到着。
16時過ぎに14人のお客さんを乗せて出船。
「今日は富士川まで走ります」と船長。
近場の模様が今ひとつとのことでポイント変更を決断。
ゆっくりと走って約1時間ほどで河口沖に到着。
17時半前だが空の色が怪しい。
雨雲レーダーには間もなく強烈なのが接近している様子が映し出されている。
到着してアンカーを入れるとすぐにスタート。
水深は50mほど。
撮影は雨が通過してからかと思っていたが左舷前方で連続ヒット。
聞けば45mくらいで電動タダ巻きして食わせたという。
指幅3本から始まり、同じ2人が連続ヒットして指幅4本強までサイズアップ。
右舷でもポツポツと上がり、30分ほどで半分くらいの人が顔を見た。
薄暗くなってきているが、早い時間からのヒットに期待が持てる。
問題はすぐそこまで迫っている雨雲だ。
ポツポツ、バチバチ、ジャー!
強烈なのがきた。
たまらずキャビン内に避難。
レインウエアを持参していない人も多かったようでずぶ濡れになりながらもみなさん手を休めない。
バーッと釣れるとしばらく休み、そしてまた連続して釣れてくるという感じだった。
魚探をのぞくと広範囲に反応はあるが、40mくらいで一番食っているようだった。
20時を過ぎるまで雨宿りしていた常連さんが釣り開始。
いったん治まった雨も断続的にやってくる。
常連さんは「この釣り方がいいよ」と当たりダナ周辺で細かい誘いを入れ続け、「ホラッ」と掛けていく。
全く同じ釣り方で1時間で10本以上釣り上げた。
「やっぱりこの場所にあった釣り方があるよね。ハリは動くように環に結んでるけど、これでもちゃんと釣れるでしょ」と連チャンを披露してくれた。
ほかの人たちはずぶ濡れになりながらも奮闘する。
アタリは結構あるものの、なかなかハリ掛かりに持ち込めないという。
22時の沖揚がりを迎えた時点で、常連さんは20本まで到達。
釣り時間がほかの人の半分だったが、ずっとやっていれば30~40本はいけそうだった。
「今シーズンはまだ始まったばかり。9月くらいからでかいのも増えてくるので楽しめると思います」と船長。
夕方〜夜にかけて不安定な気候はまだ続くから、突然の雨に備えて必ず雨具の用意を忘れずに!
![釣行の写真]()
開始直後から食ってきた。早い時間帯はアジも食うそう
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この日は全員テンビン釣りだった
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電動タダ巻きで連チャン
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船宿information
駿河湾沼津静浦港 真成丸
090・4465・6972
▼備考=予約乗合、ほかマダイへも
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隔週刊つり情報(2025年9月15号)※無断複製・転載禁止