ぶらり気楽に釣りに行く。
ときに子供と、ある日は仲間と。
そんなふうに散歩気分で遊べるのが東京湾奥深川・冨士見のハゼ乗合だ。
目下の釣り場は航程1時間ほどの木更津沖で、木更津港内から出入口周辺の水深2.5~3mを細かく探る。
取材日はやや食い渋ったものの、8~17cmのデキハゼからヒネハゼが入り交じってトップ1束(100尾)超え。
良日は2束に達しているから、まずまずの釣れ具合といっていい。
もちろん腕で差がつく小物釣りの代表格だから奥はとてつもなく深いのだが、船宿の貸し道具でのんびりやってもそこそこ釣れるのがハゼ釣りのいいところ。
大きなハゼは刺身や天ぷら、小さなハゼは空揚げや南蛮漬けなどで舌鼓を打っていただきたい。
![釣行の写真]()
▲現況は木更津沖まで走るが、晩秋~初冬は船宿近くの運河筋を狙う
出典:
今も昔も変わらぬ楽しさ東京湾のハゼで秋を満喫
毎年、秋の彼岸の中日からハゼ乗合を開始する深川の冨士見。
150年の歴史を誇る老舗中の老舗で、シロギスやライトアジなど季節に合わせた湾奥の釣り物を得意とする。
今年は江戸川放水路のボートハゼや陸っぱりの釣況もよく、冨士見も初日からトップ2束(200尾)という好発進。
私もこの時期のハゼ釣りが大好きなので、9月27日にぶらりと出かけてみた。
![釣行の写真]()
▲15~17cmのヒネハゼも交じる
出典:
エサは太く短く
斎藤正雄船長によると、「昨年よりはよさそうだよ。デカイのもいるし、小さいのもたくさんいるね」とのこと。
昨年は開幕当初こそ良型主体にそこそこ釣れたものの、その後は尻すぼみ。
小型も多い今年は長く楽しめそうだ。
当日は対(2本)の和竿に漆塗りのエサ箱を使うベテランさんが2名、ハゼ初挑戦のご夫婦に私の5名で出船。
約1時間で木更津沖に到着し、広大な木更津港の出入口付近で開始となる。
1投目から和竿を気持ちよく曲げて良型を取り込んだのは、左舷ミヨシの小林さん。
昨年もご一緒だったがそれもそのはず、シーズン中はほぼ毎週乗船しているという。
小林さんがポツポツと掛けていくのに対し、ほかの方はなかなかアタリが出ない。
それでもしばらくすると良型主体に釣れ始めた。
30分ほどでアタリが遠くなると、今度は港内北側の岸寄りを狙う。
ここは例年数釣りができるポイントなのだが、アタリは遠い。
「時合がくるとバリバリ食ってくるんだけど、もっと水がしぼり込まれないと(潮が引かないと)ダメかな」と船長。
時間的には満潮に近く、8尺(約2.4m)の和竿で跳ね込もうとすると一たぐり必要だったから水深3mほどか。
船長の話では水深2mくらいがいいようで、この場所に見切りをつけて再移動。
水深2.5mほどで再開するとアタリ復活、7~8cmのデキハゼ交じりで活発に釣れ出した。
10時過ぎから私も竿を出す。
竿は船宿の貸し道具、年季の入った手バネだがこれが実に使いやすい。
仕掛けはハリス付きのハリを、オモリ上のサルカンに結ぶだけ。
ハリスの長さは12〜13cmだ。
エサはアオイソメ。
船長は、「ここならエサは付いてりゃなんだっていいよ」というものの、「長いのはダメだけどボリュームがあるのはOK」という基本に従いタラシ2cm、2匹の房掛けとした。
シロギスがエサを吸い込むように捕食するのに対し、ハゼはエサを噛んで食べていくので、長すぎるエサは先っぽだけかじられてハリ掛かりが悪くなるのだ。
1投目からブルンときて12cmのまずまずサイズ。
すぐに入れ直すと少しサイズアップして14cmほどの良型が上がってきた。
![貸し道具]()
▲よく釣れる手バネの貸し道具。仕掛けも船宿で購入できる
出典:
知っ得!ハゼ釣りのハリス一考
ハゼ釣りの仕掛けはとてもシンプルで、ほとんどの方が市販の糸付きハリ(袖バリ5~6号)を使用している。
ただハリスは0.8号が多く、何尾も釣っていると縮れてくる。
そこでベテラン勢は好みのハリにハリス1.2~1.5号を自分で巻いたものを使っている。
船長も「ハゼはハリスを見る魚じゃないから手返し重視でね」と言い、自身もハリス1.5号を使っているそうだ。
Tackle Guide
釣果も釣趣も手バネの貸し道具の利用が断然おすすめ。
冨士見では「ハゼは船下で小づいて釣るもの」というポリシーから、リール竿での投げ釣りは禁止。
合わせどころの奥深さ
釣り方はオモリ1個分の高さでトン、トン、トンと底をたたく小づき釣り。
小づいては止めを繰り返していると小づきの最中にブルンときたり、止めの間でククッとくる。
ただアタリは多いのに、なかなかハリ掛かりしないところがハゼ釣りのおもしろさ。
デキハゼも多いので「5号じゃあハリが大きいのかな」と船長に聞くと、「俺は木更津じゃ7号しか使わない」と返ってきた。
それでビシバシ掛けていくのだからやはり名人は違う。
斎藤船長は操船技術はもちろん、釣りの腕前も抜群なのだ。
掛かるか否かは合わせのタイミングなのだろう。
たしかにモタレるような微かなアタリで掛けたときは小型のハゼでもしっかりと上アゴに掛かっている。
その確率をもっと上げられればいいのだが……。
何カ所かポイント移動を繰り返していて気付いたことがある。
ほんの50cm深くなると急にアタリが遠くなるのだ。
船長はそんな様子も確認しているみたいで、「やっぱちょっと深くなるといないねー。もう少し水温が下がれば深めの場所にも固まるんだけど」という。
その後もブルブルンの食い逃げアタリに翻弄されながら、ポツポツと数を重ねていく。
エサの付け方もあれこれ試したが、アタリが多いのはやはり房掛け。
ボリューム感があって目立つのか。
ただしデキハゼの掛かりは1匹掛けに分があり、このあたりが悩ましい。
なんにせよそんな試行錯誤の時間が楽しいのだ。
この日はほとんどポツポツの食い。
入れ食いタイムが少なかったこともありイマイチ数がのびなかったが、それでもトップの小林さんは122尾。
皆さんもそこそこお土産を持ち帰り、私は58尾だった。
小ぶりなハゼは空揚げと南蛮漬けでビールのツマミにサイコー、大型のハゼはちょっと面倒だが刺身にしたところ冷酒との相性が抜群。
もちろん天ぷらにすれば、ぜいたくなご飯のおかずとなる。
木更津沖のハゼは11月末あたりまで狙い、以降は船宿周辺の運河筋で落ちハゼを楽しむのが例年のパターン。
仕立船になるが、冨士見では天ぷら船も人気がある。
今年はハゼの湧きがよさそうなだけに、仲間とワイワイやりながらハゼを釣り、揚げたての天ぷらに舌鼓。
![釣行の写真]()
▲ハゼならではの小気味よい引きを堪能
出典:
船宿INFORMATION
東京湾奥深川
冨士見
03・3641・0507
▼備考=予約乗合、7時10分出船
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隔週刊つり情報(2025年11月1号)※無断複製・転載禁止