大貫沖の浅場でタチウオの模様が上向いてきた。
東京湾奥金沢漁港の忠彦丸での取材日は指示ダナ25~35mを中心に狙い、ときには15mから表層近くまでの浅ダナも探り、65~110cmがでトップ21本とまずまず。
この時期はタチウオの反応が広範囲に見られるものの、群れががまとまっていないため反応を見つけたら投入し、アタらなければすぐに移動と群れを追いかけながら探っていく。
「これまで良型主体でしたが、小型も交じるようになり、夏タチの気配を感じられるようになりました」と安田船長。
夏へ向けて本格的に始動した東京湾のタチウオ。
今シーズンも大いに期待できそうだ。
![釣行の写真]()
▲大中小交じりで21本を釣り上げた
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船長のレクチャーを聞いて実践する
忠彦丸では出船前に安田船長からテンビンタチウオ釣りのレクチャーがある。
エサの付け方や誘い方などていねいに解説してくれるので必ず聞いておこう。
本編でもその内容をフィーチャーして紹介する。
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▲船長の説明を熱心に聞く乗船者の皆さん
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東京湾の人気釣り物であるタチウオ。
狙い方としてはルアーやテンヤもあるが、ここではテンビン仕掛けで狙うタチウオ釣りに焦点を絞っていきたい。
取材したのは東京湾奥金沢漁港の忠彦丸。
今回は安田剛船長に詳しい話をうかがった。
安田船長は出船前のレクチャーがていねいで分かりやすいことで知られるが、その中で最初に触れられるのはエサを動かすことの重要性だ。
「ウチで使っているのはコノシロの切り身。しかし、これをタチウオの目の前に落としたとしても、魚にとっては海中を漂うゴミくらいにしか見えないでしょう」
安田船長によれば、タチウオは単に目の前を漂うような異物には反応しないのだとか。
「その異物を動かすことによってタチウオを刺激する。エサなんじゃないかなって。刺激を受けたタチウオは次に攻撃します。けれど、エサの動きが止まれば攻撃を止めてしまいます。なので動かし続けることが大事です」
誘っている間にアタリを感じても、さらに誘い続けるのがコツという。
「臆病な魚なので、エサを一気には食い込みません。少しずつ少しずつ噛んでいきます。そうしているうちに間違ってハリの部分まで口にしてしまう。タチウオ釣りはそうしたものだと考えています」
タチウオ釣りはエサを常に動かし続けるのが基本。
これが安田船長の考え方なのだが、釣り方の詳細は後に回すとして、まずはそのスタイルに沿ったタックル類の選び方から始めたい。
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▲取り込みはハリスをつかんで抜き上げる
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テンビンタチウオタックルに仕掛けは全長2mハリは細軸・軽量タイプを
5月下旬時点での主なポイントは大貫沖で、タナは15~35m。
今後はさらに浅場狙いとなる予想だ。
したがって、竿は軟らかめのテンビンタチウオ専用がベストで、硬さ表示はMやMLといったものがおおすすめ。
また、先調子のゲームロッドでオモリ40~60号に見合うものもいい。
リールは小型両軸が一般的だが、場合によってはタナが深いこともあり、電動リールも持参すれば安心。
なお、道糸は細いほどアタリが伝わりやすいのでPE2号以下を使いたいところだ(取材時点での忠彦丸ではPE2号以下ならオモリ40もしくは60号を使用。同3号は60もしくは80号)。
次は仕掛けについてだが、こちらは安田船長の考え方が大いに参考になる。
「タチウオの活性が高ければハリスは太くても大丈夫。しかし、食い渋ったら細いほうが有利です。ハリスが太いほど潮などの抵抗を受けやすく、誘いの動きも伝わりにくくなります」
おすすめのハリスの太さは8号以下。
そして、ここ数年はハリ側の10~15cmほどを太く、残りは細いという通称・逆テーパー仕掛けもあるが、こちらについては……。
「逆テーパー仕掛けが生まれた理由は、ハリごと飲まれたときに少しでもハリス切れを防ぎたいから。けれど、これからの夏タチなら飲み込まれる心配はさほどありませんから、あえて逆テーパーを使う必要はないでしょう」
ということで、ハリスはフロロ8号以下のストレートタイプ、長さは2m。
次はハリについて。「ハリのサイズ選びは大事です。これは一年を通して言えることですが、釣れてくるタチウオのサイズによって切り替えるのがベストです」
掛かってくるタチウオが指幅2~3本級ならサイズは1/0、それ以上なら2/0がおすすめ。
さらには、太軸よりも細軸タイプなど、軽いものが適しているとも。
「誘い方によってはエサが上下動を繰り返することがあるかと思います。その際、できるだけ自然に見せるには軽いハリのほうが有利だと思います」
誘い方は竿先を上げる、リールを巻くの繰り返しが基本となるが、巻き幅が小さい場合には、竿先を下げたときにはエサがわずかながら落下する。
このとき、できるだけ自然な落下に見せたいため、ハリは軽いものがいいのだそうだ。
「そして、軸のケンが2つあるもの。これはエサをしっかり固定するために必要になります」
次はそれに関連してのエサ付けに移るが、ここはとくに重要なので詳しく説明したい。
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▲タチウオ釣りは女性ファンも多い
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エサ付けの手順を覚えてとにかくズレないようていねいに付ける
忠彦丸で配られるのはコノシロの切り身。
釣れるタチウオのサイズなどによって切り方を変えているとのことだが、取材時は幅7~8mm、長さは10cm前後。
「エサがズレないようにハリに刺す。これは基本中の基本ですが、それができてない人が実に多い。なので、出船前に詳しく説明しているんです」
安田船長のすすめるエサ付けは次のとおり。
①コノシロの切り身をよく見ると、身が白い所と血合のような赤みがかった所がある。
このうち、赤みがかったほうが硬く、ハリ軸にあるケンにしっかりと固定されるので、そちら側からハリ先を入れる
②ハリ先を入れる位置はエサの端から5~8mm。
ウロコがあれば取り除き、皮1枚にハリ先を通す
③2つのケンの間隔よりわずかにプラスした長さでハリ先を皮側に抜く(ハリ先を身側に抜かず、皮と身の間に通す)。
ここは重要
④ハリを180度回転させ、次にエサをコキ上げてチモト(環)側へ。
このとき、チモトに近い側のケンを皮の内側に引っ掛ける。
そして、もう一方のケンは皮の外側に刺さるようにセットする。
これもキーポイント。
この2つのケンでエサを支えると、タチウオから攻撃されてもエサがズレにくくなる
⑤ハリ先を再度皮側に刺し入れて抜けばエサ付け完了
なお、メーカーによってケンの向きが同じや異なったりするが、2点で支えること自体は同じ(図を参照)。
また、エサにハリを刺す最初は、皮側から始めてもいいし、身側からでもいい。
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▲前半は1m級がたびたび釣れた
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上げる戻すを繰り返し指示ダナ下限から10m上まで探る
次は実際の釣り方について。
忠彦丸では「タナは24~25m、その上10mまで探って」というようなアナウンスがある。
このときは、まずは仕掛けを海面下24~25mまでのどこかでストップ(タナの下限)。
ちなみに1mの幅があるのは釣り人に無駄なプレッシャーを与えないようにするための船長の配慮。
ただし、それより深く下ろすのはNGだ。
また、タナを正確に取るためには道糸のマーカーを基準にすること(1色10m&1m刻みにマーカーがあるものが望ましい)。
リールの水深計はとかく誤差が出がちなので判断材料にはしないように。
タナの下限に仕掛けが到達したら即座に誘い始める。
「気を付けたいのは大きく誘わないこと。1m以上も竿先を上げると、竿を下げたときにエサとオモリが接近します。このとき、エサに近付いたタチウオがいたとしたら驚いて逃げてしまうでしょう」
安田船長がすすめる竿の上げ方は、竿先を30~50cm跳ね上げるようにして止める。
このとき一瞬、道糸がたるめばOK。
次に竿先に仕掛けの重さが伝わるので竿先を元の位置まで戻す。
慣れない人は、まずは「上げる、戻すを繰り返す」といったロッドアクションのコツをつかむこと。
そして、次に「戻す」のところでリールを巻く。
こうすると「上げる、巻く」の繰り返しとなるわけだ。
「どのくらい巻くかはそのときによって違います。最初はハンドル4分の1から3分の1回転で始めてみるといいでしょう」
誘い方が分からなければ、釣れている人の誘い方をマネてみるのも一つの方法だ。
「アタリが出ても食い込むまで誘い続けることが肝心です」
ここもキーポイント。アタリがあれば誘いを止めてしまう人がいるが、とにかく誘い続ける。
その方法は、①アタる前と同じように誘い上げを続ける②アタったタナをキープし、誘いだけを続ける のどちらか。
これに関してはケースバイケースなので、その場に応じて対処したい。
ところで、アタリはあるのに掛かってこないという場合、誘い方を変えてしまう人も少なくない。
しかし、これはおすすめできないとか。
「最優先はアタリが出る誘い方を見つけることですから、たとえ掛からなくても誘い方は変えないほうがいいです」
なお、アタリがない場合はアナウンスどおりタナの上限まで誘う。
そして、再度指示ダナまで下ろして誘いを繰り返す。
タチウオがフッキングすれば、勢いよく竿を引き込むのでリールを巻く。
このとき、バレたかのごとく急に軽くなってしまうこともあるが、そんなときはとにかく巻き続ける。
すると、再び手応えを感じることが多い。
取り込みの手順は、①海面近くに仕掛けが見えたらオモリをつかみやすいよう、竿先とオモリ間を調整する
②仕掛けを寄せてオモリをつかむ
③手を伸ばしてハリス中央付近をつかみ、次にタチウオを引き抜いて船内へ
最後は今期の注意点を一つ。
アカクラゲが多い場合には、釣り方もそれに見合うようにしたい。
たとえば仕掛けの落下時。
ゴソッというような感じが伝われば即座に回収するのが無難。
誘い上げの最中も同様、アタリであればコツンとくるが、アカクラゲの場合はモターッと重くなる。
「通常であればタナの下限から上限までの誘いを3~4往復やって回収ですが、アカクラゲが多いときは1~2往復で回収し、確認するといいでしょう」
回収した仕掛けはハリの周りも要チェック。
少しの付着であってもきれいに取り除きたい。
さて、この号が出るころにはすでに夏タチシーズンが始まっているかもしれないが、浅場や浅ダナで数が釣れるのがこの時期の特徴だ。
「確かに型は小さくなってしまいます。けれども、アタリが多いので釣り方を覚えるには絶好のチャンス。入門者にはとくにおすすめしたいですね」
とかく難しいと言われるタチウオ釣りだが、その基本事項さえ理解すれば釣果アップにつながることは間違いなし。
ベテラン諸氏でも、この夏の数が釣れる時期にトレーニングに励んでみてはいかがだろう。
船宿INFORMATION
東京湾奥金沢漁港
忠彦丸
045・701・3086
▼備考=予約乗合、7時20分出船。
アジ、マダコ、ショウサイフグ、シロギス、カサゴ、アナゴへも出船
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隔週刊つり情報(2025年7月1号)※無断複製・転載禁止