茨城県日立沖では数年前から夏場のイシナギ釣りが人気だ。
イシナギ狙い自体は古くからあったが、30kg級を上げられるようになったのはここ数年のこと。
「色いろ試してようやく昨年から形になってきました」とはこの日乗り合わせたダイワフィールドテスターの北本茂照さん。
生きたサバエサを使用することで大型のアタリが増え、北本さんは昨年船宿記録となる45kgをキャッチ。
ブリや20kgオーバーのヒラマサが上がることもあるという。
「今シーズンは1カ月くらい食い出すのが遅いですね。まだ30kgクラスまでですが、50kg以上の大型もいるはずです」とは日立久慈漁港・明進丸の関裕二船長。
タックルを万全に大物釣りに挑もう。
![釣行の写真]()
▲生きたサバエサを投入
出典:
泳がせ釣りの必需品
「サバの泳ぎでアタリが変わってきます」と北本さん。
サバはサビキで狙うが、水温も高く弱りやすいためできるだけ魚に触れないように、魚外しやネットは持参しよう。
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▲魚を直接触らないことが重要
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茨城県日立沖のイシナギ釣りはここ数年で急激に注目を集めるようになったが、実は結構な昔から釣り物として存在していた。
「以前は胴つき仕掛けで5kg前後を狙うのが一般的でしたが、2~3年前から20~30kgの大型が出るようになりました」とは茨城県日立久慈漁港・明進丸の関裕二船長。
それまでも大型が掛かることはあったが、根に入られたりラインブレイクが頻発と、その正体を突き止めるには至らなかった。
だが、ここ数年で釣り方が確立していく中で大型のキャッチ率が上がっていった。
さらにルアーでも狙えるとあってルアーマンからの人気も高まっている。
「昨年からようやく釣り方が確立したかなと思います。相手は30kg以上あるし、それなりのタックルで狙えば確率も上がると思います」とは船長とともにこの釣りの普及に取り組んできた、ダイワフィールドテスターの北本茂照さん。
以前は冷凍イワシや冷凍スルメイカをエサにしてそれなりの成果を挙げていたが、昨年からはサバを釣ってからこれを生きエサにした泳がせ釣りに変更したところ大型を連発。
「イシナギはサバが好きみたいで、サバを追って浅場まできて定置網に入るんですよ。これでサバを試すようになったんです」とは関船長。
サバエサが奏功し、昨年北本さんが釣り上げた45kgが目下の船宿記録だが、どうやらそれ以上の大型も潜んでいるようだ。
ただし、海底が複雑な根周りや魚礁のため、他エリアのイシナギ釣りよりも難易度が高くなっているという。
ヒットしてから根に潜られラインブレイクが多くなるためだ。
それを防ぐにはより強靭なタックルと仕掛けが必要になる。
従来は比較的ライトな道具立て(ダイワ500番、シマノ3000番)メインで狙っていたのでルアーと同船していたが、今後は曜日で分けるなど出船形態を変更する可能性があると船長。
この辺りのことは、事前にHPで確認、または電話で問い合わせを。
例年6月ごろから釣れ出すが、今年は1カ月以上遅れており、7月下旬に入ってようやく大型が口を使い出したという。
イシナギはこのエリアに産卵にやってくるようだが、産卵が終わってから体力を回復するためにエサを食い出したのではと船長は推測する。
遅れて開幕した分、これからしばらく狙えるのではと船長は期待を込めて言う。
今回は、北本さんに目下の状況での最適解を教えてもらった。
その釣り方をメインに解説していく。
ガチの泳がせタックルと太ハリスで狙う
「道糸切れは結構あるし、竿を折る人も見ています。本気で狙いたいならスタンディングの泳がせタックルレベルが必要だと思います」と北本さん。
竿は全長1.7m前後のスタンディングの泳がせ用、キハダ用など。
これ以上長いと最初の突っ込みに耐えられず竿を起こせなくなる可能性があるので、短めのほうがおすすめという。
リールはダイワなら800番、シマノなら6000番クラス。
ちなみに北本さんが使用するのはマッドバイパー泳がせSP H’160とシーボーグG600MJの組み合わせ。
道糸はPE10~12号あると安心。
タックルは8月に開幕した相模湾のキハダタックルをそのまま流用できるので挑戦のハードルは下がっている。
仕掛けは泳がせ用の1本バリで、ハリスはナイロン60号80cmと短め、ハリはスーパークエなど大型泳がせ用の30号。
強化チューブを入れて結ぶ。
ハリスは長くするとオマツリが多くなるし、根掛かりも増えていいことはないそうだ。
オモリは150~200号を使用。
状況によって使い分ける。
釣りは基本的に手持ちで行うが、ロッドキーパーは2本足の丈夫なものを使おう。
また、サバエサを釣るためのサビキ仕掛けは2~3セット用意しておこう。
外房用のフラッシャーサビキのほか、北本さんがおすすめするのはアジ用のサビキ。
このほか、ムロ外しなどの魚外し、エサ付け時に便利な小型のネット、さらにサバを直接触らないための薄手のニトリル手袋などがあれば安心。
さらに根掛かり時に重宝する根切り棒があれば完璧。
エサは素早く目通しする
エサのサバはすぐに群れが見つかることもあれば、なかなか遭遇しないこともある。
チャンスはほんの一瞬ということもあるので、いつでも投入できるように準備しておく。
投入したら船長から指示されたタナの範囲内を落とし、電動巻き上げの繰り返しで素早く掛けていく。
釣ったサバは魚外しでオケに落とし、魚体に触れないようにしよう。
「気温、水温が高く直接手で触ってしまうと、いくら大型のサバでもすぐに弱っちゃいます」と北本さん。
釣れるサバは30~40cm前後と思った以上に大きい。
ある程度オケにたまったら、船前方にある大型水槽にサバを入れておく。
サバ釣りは一人10匹もあれば十分だが、集中してエサの確保をしよう。
万一、サバが見つからない場合は、冷凍サバを使用する。
エサは目通しにするのがおすすめだと北本さん。
「サバがあまり釣れなくても、目通しすれば弱りにくくてエサ持ちがいいです」とのこと。
専用の目通しピンで目の前方上から刺し入れて、目通し用の糸(使い古したPEラインでOK)を通し、ハリをクルクル回して最後にハリ先を通しておく。
魚に直接大型のハリを刺すわけではないので泳ぎがよく、弱りにくいというわけ。
大型を狙うならできるだけ大きいサバを選ぶといいとか。
タナは5m以上しっかり食わせて合わせを
投入前にドラグをガチ締めしておく。
ポイントの海底は起伏のある根や魚礁周りで、根掛かりしやすいため着底したら素早く5m以上巻き上げる。
潮回りの1投目はヒットするチャンスが高いのでここは集中しよう。
「基本のタナは5~6mです。低いタナでアタリがあっても食わせるのは難しくなります」と北本さん。
海底は変化がある場所なので、まめに底を取り直すことが重要だ。
エサのサバは大型なので危険を察知すると暴れ、前触れを釣り手に教えてくれる。
イシナギが潜むポイントには、大型ヒラマサ、ブリ、大ビラメなどもいて、いずれもサバエサにヒットしてきている。
その中でとくにイシナギはアタリがあってもしっかり食い込むまでグッと我慢が必要だ。
「強めに引いたくらいで合わせるとほぼスッポ抜けます。完全に入り込んでから合わせるといいですよ」
初挑戦でもここまではいくことが多いが、大変なのはここから。
ハリ掛かりしたイシナギは根や魚礁に潜ろうとするので、まずは最初の10mは電動で一気に巻き上げる。
「根に入られてビクともしなくなることがあります。最初に根から離せるかで取れるか取れないか決まります」
10m巻き上げたら安心かと言えばそうでもないのがイシナギ。
「根に入る心配はないですが、イシナギは水圧の変化に強くて海面まで引き続けるので、あとは引っ張り合いにならないようにスピードを調整して巻き上げてください」
だれかにヒットしたときは、チャンスタイムの到来。
底を取り直してアタリを引き出そう。
アタリがあってもスッポ抜けした場合はそのまま少し待って食ってこなければ回収してエサの交換を。
また、アタリがあってからそのまま次の段階に進めない、つまり強い引きがこないことも多いそうだ。
こんなときは食い込みを促進してやる。
「アタリがあってから動きがないときは、ゆっくり上げていくと食い込むことがあります。低いタナでアタリがあるとこういったことが多いようです」
低いタナでアタリがあると、イシナギが海底まで戻る距離が短くなり、一気に食い込まないことが多いということらしい。
サバの確保に苦戦も連続でイシナギ浮上
取材にうかがったのは7月24日。
この日は北本さん始め5人のイシナギフリークが集まった。
一昨年くらいから通い詰めている人が多いが、大型イシナギはヒットまでは持ち込めてもなかなか上げられないという。
5人が右舷に並んで5時過ぎに出船してまずはサバの群れを探す。
1時間ほど探索してようやく投入の合図があるが、サバではなくオキメバルの群れだった。
この後も1時間以上探してようやくサバの群れを捕捉。
各自5尾以上確保して釣り場へ。
8時半過ぎにようやくイシナギ釣りを開始。
皆さん素早く投入してアタリに備える。
当地のイシナギに関しては、朝イチがいいというわけではないようで、むしろ潮変わりなどがチャンスタイムになるようだ。
開始から30分ほどたったころ、大ドモで竿を曲げた。
泳がせロッドはひん曲がっているが、途中でスポッと外れてしまった。
サバにはくわえた跡がしっかり残っていたのでハリ掛かりしないままに上がってきたのかもしれなかった。
さらに30分が経過したころ、胴の間の川端さんにアタリが。
「まだだよ、まだまだ、まだよ、それだ合わせて!」
北本さんのアドバイスでタイミングバッチリにしっかりと合わせが決まった。
必死の形相で耐えながらまずは10m以上浮上させた。
すると先ほどバラした大ドモでも再びヒット。
同じ轍は踏まないとしっかりと入り込むのを待って大合わせ。
ほぼ同時にタモ取りされて、大ドモは後検量15kg、川端さんは推定30kgだった。
「去年から毎週通ったかいがありました。ようやく大型が取れました」と川端さん。
今シーズン3回目でキャッチ。
川端さんが上げた個体はまだ抱卵中だったようで、海水を流し込みながら素早く撮影しリリース。
元気に泳いで帰っていった。
その後、やはり大ドモと川端さんにアタリがあって合わせまでいったがいずれもバラシに終わった。
大ドモでは根に潜られ身動きもせず、川端さんはフックアウトだったが、やはりそう簡単にはいかないと実感。
北本さんは残念ながらノーヒットに終わったが、2人のヒットを自分のこと以上に喜んだ。
「この魚は釣りきったら終わっちゃいます。5kg以下の小型はリリースをお願いしています。この先も楽しめるように協力をお願いします」と関船長。
また、もう少しライトなタックルで挑戦したいという人は船長に相談を。
ルアーの場合はスロージグよりも、300g程度のセミロング、ロングジグを推奨している。
船宿記録の45kg超えも夢ではない。
船宿INFORMATION
茨城県日立久慈漁港
明進丸
090・2276・8806
備考=予約乗合、4時半集合。
ほかマダコ、オキメバルなどへも
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隔週刊つり情報(2025年9月1号)※無断複製・転載禁止