「水深200m、150mくらいから底まで反応が出ています」
とび島丸・鈴木健司船長のアナウンスでスタートすると、多くの人が5~6杯ずつの多点掛けを決める。
それが投入のたびに釣れるから、やっぱり今年の石廊崎沖はすげえやと思っていたら、船長は思いがけない言葉を発した。
「今日は乗りが悪いね」は、これで乗りが悪いですって!どういうこと?
「今日はパーフェクトがないから乗りはあんまりよくないですね」いかに今年の石廊崎沖がすごいことになっているかをこの言葉で理解。
「触りを取って乗せようなんて釣り方じゃ乗らないよ。広い範囲に反応があるから電動巻きで素早くその中を通過させないと間に合わないよ」船長は度たび発破をかける。
群れが広く濃く出ているときの釣り方で、まさにかつての乗りと釣り方が復活したといえよう。
竹串に色付けを!
船上干しに使う竹串は、自分のものと分かるように色を付けておくと便利。
多人数のときは2色付けておけばより安心。
マジックでサッと塗るだけでOK。
![竹串]()
▲油性マジックで色付けを
出典:
1流し1回ということもあるが、いい流しでは4~5回取れる人もいて一気に数をのばしていく。
中小型の刺身サイズも多く生でキープする人もいるが、やはり船上干しが最高。
潮回り中、仕掛けの落下中、乗せたイカを置き竿で巻き上げ中にイカをさばいてせっせと干していく。
さすがに暑さと忙しさで多くの人はペースダウンも、最終的には束釣りが数人。
「みんな暑さと疲れでダレちゃうんです。今の反応ならガチでやれば150杯は釣れるはずです」と船長。
![釣行の写真]()
▲朝から6~7点掛けが多かった
出典:
ツノ数は10本まで!
石廊崎沖のスルメイカのルールはツノ数が10本までなのでキチンと守ること。
プラヅノ18cm、色は濃いブルー、濃いピンクをメインに組もう。
![釣行の写真]()
▲濃いブルー&ピンクが基本色
出典:
今年のスルメイカは近年では記憶にないほど各地で好調な乗りを見せている。
そのトリとも言うべきエリアが南伊豆石廊崎沖だ。
今期はムギイカの多さがそのまま沖のスルメイカの釣果に直結している傾向があり、駿河湾~西伊豆のムギイカの群れの濃さが石廊崎沖のスルメイカの好調さにつながっている可能性もある。
西伊豆恋人岬のとび島丸では6月中旬から本格的に狙っているが、連日のように束釣りを記録している。
「これだけいいのは7~8年ぶりですね。小型メインのときは300杯超えもありましたから」とは鈴木健司船長。
石廊崎沖は昨年は短期間、一昨年は盛夏から晩秋にかけて好調な乗りを見せていたが、これだけの群れの濃さは久しぶりだという。
取材した7月上旬はいわゆるニセイカと呼ぶ中型サイズメインで大型が2割程度交じっていたが、その後2週間で大型メインに変わってきており、いよいよ本番を迎える。
「これから9月中旬くらいまでは楽しめると思います」と船長は今後を予測。
釣り場周辺では反応が多くイカの群れは相当多そうだ。
昨年あたりから増えたアブライカは少なく、取材日に確認できたのは1杯のみ。
フィリピンスルメ、ハワイスルメとも呼ばれるアブライカが少なく従来のようにスルメが多いのは、黒潮大蛇行の動きに影響されているかもしれない。
ちなみに7月下旬の時点では大蛇行と呼ぶほどではないものの蛇行はあり、依然として沿岸海域の水温は高めだ。
「水温は高いし潮が速いことも多いです。これからさらに潮も澄むので、これらのことを踏まえて釣ってください」とのこと。
それについては後ほど解説する。
とび島丸では3時に集合して、準備でき次第出船。
遠征船を使用する場合は船内で2時間ほどベッドで休息できる。
6時に釣りを開始し13時に沖揚がり。
着替えてから再びベッドで休んで15時過ぎに帰港するシステムとなっている。
![釣行の写真]()
▲写真は3点掛けだが実際は5点掛け
出典:
リール、バッテリーの予備があると安心!
竿はスルメの多点掛けに対応した、全長1.5~1.7m前後のスルメ専用。
ハード、スーパーハードなど硬めのものを選ぶ。
また、グラスタイプの粘りのあるものなどもいいだろう。
このエリアでは、細身の竿やヤリイカ用ではパワーが心許ないので使用はおすすめできない。
リールは中型電動でパワー性能が優れたもの。
ダイワなら500~600番、シマノなら3000番が標準。
道糸はPE3~4号で、高切れもあるのでキャパいっぱいまで巻いておく。
目下はPE3号の使用が主流。
水深は200~260mほどで使用するオモリが200~250号と重く、さらに潮流もある中で大型の多点掛けも多い。
つまり、通常で考えるよりもリールにかかる負担は膨大。
このためリールのトラブルもあるようで、できたらリールの予備があると安心。
300gのイカが6点掛けしたとする。
トータル2kg程度で魚なら大したことないが、常に重量がかかっているだけでなく、それぞれが潮の抵抗を受ける。
これを何度も繰り返すわけで、今後はさらに大型も多くなるのでより負担が大きくなる。
同時にバッテリーも予備があると安心だと船長。
もちろん持参したバッテリーがカラになっても船の電源に繋げられるが、現在の電動リールは高電圧のリチウムイオンバッテリー使用前提で作られている。
リールの持つ性能を最大限に発揮したいなら予備のリチウムバッテリーの持参がおすすめ。
ちなみに11~12アンペアのリチウムバッテリーだと、束釣りした場合は一日持つかどうかだと、今シーズン何度もこの釣りを楽しんでいる常連さんは言う。
スルメ釣りではロッドキーパーを使用しない人もいるが、このエリアでは必携。
最初はズッシリとした乗り感を楽しみながら巻き上げてくるが、水深が深いことや多点掛けが多いことから、ずっと手持ちで巻き上げるのは体力的にキツい。
このためほとんどの人が置き竿にして巻き上げる。
よほど海が悪くなければ、直結仕掛けでもバレることは少ない。
仕掛けはプラヅノ18cm直結が標準。
ツノ数は釣り場の規定で10本までなので厳守したい。
ブランコ使用もいいが、広い層に群れがいるので素早く探れる直結が有利になる。
取材した7月上旬は中小型サイズも多く14cmが活躍することもあったが、今後は18cmメインでOK。
ただし、念のため14cmの仕掛けも用意しておくと安心。
プラヅノの色は濃いピンク、濃いブルーをメインに(2色でもOK)、黄緑、黄色系のツノを1~2本入れるのもいい。
石廊崎沖の水色は黒潮の影響を受けてか真っ青で澄んでいる。
今後はその傾向がさらに強くなるが、大型化したスルメは視力もよくツノを見切る。
これからの時期はキズが付いていたり、濁ってしまったツノは極端に乗りが悪くなるので、新しいものを選ぶ。
オーロラシートを貼ったもの、目玉シールを自分で貼って使う人もいて、いずれもいい乗りを見せていた。
ただし、船中回って確認したところ、ケイムラは乗りが今ひとつという人が多く、「潮変わりで乗るツノが全く変わることがあります。濃色系をメインにして、潮が変わったら淡色系メインにするなど、2パターンは用意したほうが色んな状況に対応できます」とのこと。
ちなみにこの日は後半に潮止まりからの上げ潮に変わったが、このタイミングで仕掛けのパターンを変えてみるのがおすすめだとか。
プラヅノ18cmの場合は幹糸は12号が標準だが、上半分程度を14号にしてもいい。
幹糸の長さは自分の両手を広げた長さよりも若干長めにしておく。
自分の作った仕掛けの全長を把握しておこう。
「糸ヨレが多くなるので中間にサルカンを入れておくといいですよ。中には全部のツノに付けている人もいます」
潮流を受けながら巻き上げると、イカが回転して糸ヨレを起こす。
この状態で回収すると、ヨレた部分が復元しようと回って手前マツリを引き起こす。
これを防ぐためにサルカンを入れておくのを船長はすすめる。
同時に回転性能のいいスナップサルカン、イカ用のヨリ取りリングを装着しておくといいだろう。
このほか、指ゴムかゴム引きの手袋を装着しておくと取り込み時に滑らず安心安全。
また、船上干し用に竹串を持参しよう。
竹串はコンビニや100円ショップなどでも購入できるが、最初に何本入りか確認しておく。
100本入りだった場合、最後に10本残ったら90杯釣ったと把握できる。
油性マジックで色付けして自分のものと判別できるようにしておこう。
持参するクーラーボックスは、飲み物も多めに持参したいので、40リットル前後はあると安心。
![釣行の写真]()
▲船上干しは勲章とも言えるが、中小型サイズが多く生食用に持ち帰る人も多かった
出典:
群れの中で素早く仕掛けを見せる
普通にやれば50杯以上は当たり前、頑張れば100杯も狙えるという状況は、やはり群れの濃さによるところが大きい。
水深が200mの場合、海底から150mくらいまで50mほどと宙層に広く反応が出ることが多い。
乗せ方は落下中に宙層で乗せるか、下から探っていくパターンの2つに大別される。
潮が速いことが多いので、潮回り後の投入は遅れないようにしたい。
潮具合によっては投入に間に合わなければ1回休みということもあるので、船長のアナウンスをしっかり聞いておく。
広い層に反応があるといっても、その中で群れの濃さ、サイズが異なってくる。
この中でいかに効率よく釣っていくかで釣果が変わってくる。
例えば、いくら高い層に反応があるからといって、仕掛けが反応に入った瞬間に乗せたとしよう。
ここで仕掛けの下のほうに2杯乗って巻き上げてしまってはもったいないということ。
その場所よりもさらに20mほど落とせばパーフェクトになる可能性もあるためだ。
もちろん、高い層でバリバリ乗るということもあるし、上は小型が多く海底付近に大型メインということもあるから、そのときの状況に合わせて狙い分けるのが正しいと言えるだろう。
では、どうやって判断するか?
これだけの反応が出ているときは落下中に竿先に変化が出る。
これはイカの触りのサインだが、これぐらいの触りで掛けていては多点掛けはあまり望めない。
「触りはスルーして、仕掛けを止めたときだけ宙層で狙う」というのが、この日乗り合わせたベテランの意見だ。
直結であっても抱きつく力が強い大型のスルメは、落下中の仕掛けを止めることもある。
こんなときはすでに多点している可能性が高い。
潮が緩く、1流しで何回もできるようなときならいいが、1流し1回の場合は、その1回で多点を狙う必要がああるのだ。
探見丸を持参して自分でイカの反応を見て狙う人も多く、有効活用したい。
海底付近から探る場合は、最近の触りを取る釣り方では乗せられないと、船長は説く。
「イカは移動しています。反応が広く出ている場合でも、その中で早く仕掛けをイカに見せる必要があります。ここで触りを見て掛けていく釣りをしていたら間に合いません」
船長がすすめるのは、電動でタダ巻きしていくだけ。
それも中速程度とやや早めにし、乗ってからは電動シャクリでテンションをかけながら誘って多点を狙っていくというものだ。
追い乗りすれば重量感が増してスピードが遅くなる。
その度に少しずつ巻き上げスピードを上げていく。
反応が出ている層の中でしっかり多点掛けしたらそのまま回収する。
朝の元気なうちや波、ウネリが高い場合は手持ちでもいいが、ナギの日は置き竿での巻き上げが楽。
巻き上げ中にイカをさばいて船上干しの準備ができる。
ただし、オマツリも多くなるので、まめに巻き上げの挙動をチェックしておきたい。
もし、中途半端なタナで1~2杯しか乗せられなかった場合、周りでバリバリと多点掛けしているのならば、乗っているイカをあえて外し、仕掛けをもう一度落としてから多点を狙うのもあり。
こんなことができるのも、それだけ群れが濃いからこそ。
水深が深く多点となると、前述したように仕掛けのヨレがきつくなる。
回収時に仕掛けの上にイカを落とすと絡みやすくなるので、イカは外しながらツノは直接投入器に入れるか、マットなどに固定しておくのがおすすめ。
「取り込みはできるだけ大きくゆっくりな動作でやってみてください。いくらかヨリが取れます」と船長。
回収後は移動のアナウンスがなければ再投入OKだが、必ず投入器に入れてからオモリを遠めに投げてオマツリを避ける。
釣り上げたイカは海面付近の海水温が高すぎるためか、オケに入れるとすぐに死んでしまう。
生のまま持ち帰る場合はまめにクーラーにしまっていくこと。
また、無風の炎天下では体力の消耗が激しい上、もはやスポーツも言えるスルメイカ釣りだから、いつも以上に水分補給に気を配りたい。
炎天下での運動では1時間あたり500ミリリットル以上の水分補給が必要と言われている。
釣り時間がたっぷりあることから最低でも3リットル以上の飲み物を持参しよう。
![釣行の写真]()
▲3日連続で当地のスルメ狙いだというファンも
出典:
船宿INFORMATION
西伊豆恋人岬
とび島丸
0558・99・0159
▼備考=予約乗合、3時集合。
ほか銭洲遠征へも
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隔週刊つり情報(2025年8月15号)※無断複製・転載禁止