東京湾奥のトップ3、まずは人気ナンバーワンのライトアジ。
出船軒数も多く、木更津沖や川崎~横浜沖、本牧沖、八景沖などのポイントへ千葉や東京、神奈川と湾奥一円の船宿から出船している。
取材した千葉市寒川の守山丸ではこの日、木更津沖の水深20~25m前後のポイントにアンカーを打って狙い、20~25cmの中型主体に30cm交じりでトップ64尾。
当日は親子連れやビギナーも乗船したが、仲乗りさんからレクチャーを受けるとみるみるうちに上達し、20~30尾のアジを釣り上げて土産は十分。
トップの方を含めた数名のベテランはライン引き釣法で手返しよく釣って数をのばした。
今回の特集ではこのライン引きに注目、釣り方を紹介する。
![釣行の写真]()
▲釣り場は木更津沖の水深20~25m前後
出典:
バチコンアジングも便乗OK
守山丸では予約時に伝えればルアー釣りのバチコンアジングも便乗して楽しむことができる。
オモリは15~30号を用意して水深や潮の速さなどで使い分け、オマツリしないようにしよう。
![釣行の写真]()
▲エサ釣りからバチコンへ途中で釣り方を変えるのもアリ (写真提供:守山丸)
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ライトアジは湾奥の人気釣り物の一つ。
なにしろコマセカゴのオモリは30~40号なので、腕にかかる負担は少なく、しかもアタリは明確。
加えて数が釣れるとなれば、まさに万人向けの釣り物といえるだろう。
そんなライトアジの釣り方は、簡単にいえば底近いタナでコマセを振って指示ダナまで巻き上げるだけ。
あとは魚が勝手に掛かる。
そうした簡単な手順ゆえビギナーや女性、子供でもこなせるわけだが、近年、ここにゲーム感覚をプラスした釣り方が誕生した。
それがライン引き釣法だ。
従来の釣り方はアジが食ってくるのを単に待つという、どちらかといえば受け身のスタイル。
それに対してライン引きは誘う手数を多くしてアタリを出していく、いわば攻めのスタイル。
「そんなややこしい釣りをしなくても従来の釣り方で十分に釣れるはず」
そのような声はごもっとも。
しかしながら、ライン引き釣法を実際にやってみれば面白さに気付く。
加えてバラシが減る。
アジ釣りのテクニックの一つとして、自身の引き出しに加えてみてはいかがだろう。
![釣行の写真]()
▲取り込みは大型以外は抜き上げる
出典:
シャクリやすさを重視して先調子気味の短い竿が使いやすい
タックル、仕掛けについてだが、竿選びは後述するとして、ほかのあれこれは通常のライトアジと同様に考えていい。
まずはリールだが、細かいシャクリを多用するので小型両軸が使いやすい。
しかし、ときとして水深の深いポイントを狙う場合には超小型~小型電動を使う手もある。
いずれを使うにしても巻く道糸はPE1号が標準的。
コマセカゴは船宿によって異なるが、一般的には30~40号。
テンビンは腕長25cm前後。
多くの船宿ではコマセカゴとテンビンをセットでレンタルしているので、それを利用するといい。
一般的なアジ釣りではスタンダードとされるクッションゴムだが、ライン引きでは付けないほうが無難だろう。
理由は微妙なアタリが伝わらないこと、合わせが効きにくいことなどがあげられる。
次はハリス。
こちらは釣れるアジのサイズに合わせて選択するのがベター。
20~25cmの中アジなら1.5号を標準と考えていいだろう。
ハリはムツ10号。
ハリ数は2本を基準として、多点掛けを重視したいのであれば3本にするなどの対応をしたい。
さて、最後は竿について。
こちらはライトアジ専用のほかライトゲームロッドでOK。
全長2m前後が一般的だが、1.6~1.8mの短めがシャクりやすくておすすめ。
調子はメリハリの効いたシャクリができる硬めで8:2~7:3調子がいい。
余裕のある人なら硬さの異なる先調子気味の竿を何本か持参することもおすすめしたい。
この釣りではシャクったときの竿先の動きが重要となるが、竿によっては速い潮などに対して竿先が負け、シャープなシャクリができなくなることもある。
ライトゲームロッドにはメーカーによるM、MH、Hなどの表示があるが、それぞれを使って試してみるとこの釣り方の面白さについて理解が深まるかもしれない。
次は付けエサについて。
コマセを使ったアジ釣りでは、一般的な付けエサはアカタンとアオイソメ。
これらの使い分けは、食いが渋いときほどアオイソメを使い、逆に食いのいいときはエサ持ちのいいアカタンを使用するのがセオリー。
場合によっては両者を併用して使ってもいい。
ただし、ここではそれらの付け方が大事になってくる。
ライン引きでは「センターバッチリ」というフレーズがよく聞かれる。
これはフッキングしたハリの位置が上アゴの中央であることを示している。
なぜ上アゴにこだわるのかといえば、そこに掛けることこそがライン引きのだいご味でもあるからだ。
上アゴに掛ければ取り込み時のバラシは激減する。
また後述するが、1尾掛けた後にシャクリを続けてもバレにくいので、追い食いを積極的に狙える利点も生まれてくる。
アジの上アゴにフッキングさせるためにはハリ先を真上に向ければ確率が高くなるのだが、ではどうすればハリ先を上に向けられるのか。
それは付けエサをハリのどこに位置させるかで決まってくる。
この釣り方に詳しい高槻慧氏によれば、ハリ先近くの曲がり部分に付けエサがあるのがベストとか。
この状態でハリスを引くと海中ではハリ先が上を向く(大きなバケツの中で実際にやってみると理解が早い)。
なお、ハリの軸側のカーブにエサを付けて引っ張ると、ハリは海中で横を向く。
実際の釣りではアカタンをハリ先に近いところのカーブに止める。アオイソメも1cmほどに切って同様のところにチョン掛け。
これがライン引き釣法のスタートとなる。
![釣行の写真]()
▲持参したパワーイソメで釣り上げた30cm
出典:
メリハリのあるシャクリでタナにコマセの帯を作る
では、実際の釣り方に移ろう。
投入の方法などは従来のライトアジとまったく同じ。
潮の方向などを見極めてから仕掛けを海中に。
仕掛けが底に着いたら船長の指示ダナに従うが、ここでは下から2mと仮定して説明したい。
まず、仕掛けが着底したら糸フケを取り、手前マツリを避けるために若干の間を置いて1m巻く。
そして、ここからがライン引き。
通常と違うのはコマセを一度にドッとまくのではなく、竿先を下げたスタイルでキュッ、キュッ、キュッといった一定のリズムでタナ上限までシャクリ上げていく。
ここでは1mをシャクリ上げる設定なのでシャクリの回数は3~4回が目安。
もしも使っているリールが1回転50cmであれば、25cmシャクったらリールを半回転巻く。
それを4回繰り返せば1m上のタナまでシャクリ上げたことになる。
ただし、これができるのはタックルの項でも記したとおり、硬めの先調子の竿を使った場合。
軟らかい調子の場合は短いストロークのシャクリではコマセが出にくく、また、コマセを出そうとすればシャクリ幅が大きくなり、1m幅では何回もシャクれないことになる。
さて、食いのいいときであればシャクリの最中にアタリが出る。
潮の速さによっても異なるが、ライン引きをするとハリスは張った状態になりやすく、ときにはシャクリ動作がそのままカウンターの合わせになることもある。
次に、アタリがなくタナ上限までシャクリ上げた場合だが、このときには一呼吸くらい待った後、デッドスローで竿先を1mくらい上げてやる。
そして、このときには小さいアタリに注意。
シャクリ最中とは違い、ハリスがややたるんだ状態になるからだ。
小さいアタリ(モタレ)を感じたら積極的に合わせていく。
これもこの釣り方の特徴といえる。
それでもアタリがなければクラッチを切って再着底。
その先は同じ手順となり、それでもアタリがなければ回収してコマセの詰め替えとなる。
なお、この釣り方では追い食いを積極的に狙っていけるのもメリットだ。
方法としては、魚が掛かったら、そのタナから3~5m上まで同じピッチで細かくシャクる。
追い食いすれば重さが加わるので分かりやすい。
なお、途中でバレることもあるだろうが、シャクリ続ければコマセも出る。
そうしたことで追い食いに成功する確率は高く、これもまたライン引き釣法のだいご味だ。
![釣行の写真]()
▲アジ釣りは2回目。仲乗りさんにレクチャーを受けてこのとおり
出典:
上アゴヒットに追い食いもライン引き釣法でアジ連発
今回のライトアジレポートは東京湾奥千葉市寒川の守山丸から。
4月25日の金曜日。
乗船者は私を含めて8名。
ポイントは木更津沖の水深22m。
コマセカゴはオモリ40号で、この日はアンカリングしてから釣り開始となった。
タナの指示は下から2m。
すると、右舷トモでは1投目から釣れ、隣の女性もすぐにそれに続いた。
釣り方を拝見すればライン引きに近い釣り方だ。
「タチウオジギングファンなので、アジもそのスタイルでやってみました」
それから10分もすると、右舷トモは入れ食い状態となり、20~25cmの中アジを取り込んでいる。
「食いが活発で反応が底から3~4mまで出ています。そのため少し上のタナまでシャクリ続ける釣り方が効果的なのでしょう」
この日、仲乗り役で乗船した恵木船長はそう話してくれた。
私のお隣、右舷胴の間氏は従来の方法とライン引きを併用している様子。
「どちらにするかは状況次第。あまりこだわらず、そのときに釣れるほうでやっています」
その言葉どおり、釣り方を変えつつもアジは遜色なくハリ掛かり。
これも一つの方法だろう。
さて、右舷ミヨシの私は最初からライン引きの検証。
タナ上限まで誘った後に出るモタれるアタリを確認し、上アゴヒットの確率が高いこともチェックを済ませた。
また昼近くになると潮が変わり、やや速い上げ潮を受けることになったが、ここでは硬い竿にチェンジすることで対応できることも理解した。
当日のトップは65尾。
休まずやれば束超えも可能な釣れっぷりで、皆さんのお土産はたっぷり。
従来の釣り方でも十分に楽しめた守山丸のライトアジだったが、ライン引き釣法の釣れ具合も負けず劣らず。
加えて多岐にわたる面白さは奥が深いと感じた。
一度この釣りにチャレンジしてみてはいかがだろうか。
![釣行の写真]()
▲親子で楽しんでいた鵜澤さん。息子の琉之介君(小6)は初めてのアジ釣り
出典:
船宿INFORMATION
東京湾奥千葉市寒川
守山丸
043・312・2640
備考=予約乗合、6時出船。
カサゴ、アナゴ、シロギスへも出船
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隔週刊つり情報(2025年6月1号)※無断複製・転載禁止